本研究「戦前司法省の構造と実態-治安維持法の成立と運用を中心に-」のうち、副題部分については、『治安維持法関係資料集』の解説「治安維持法成立・「改正」史」としてまとめた。主題そのものについての構想は、現段階では次のようなものである。 ・思想検事の役割と実態 配置・拡充ぶり(官制改正)職掌の設定と拡張 思想犯罪「処理」のイニシアチブ確立へ ・司法省の社会運動抑圧政策の形成と展開 刑事局思想部(その後、第五課・第六課など)の組織的確立 予算・官制 各種犯罪処理統計 ・司法省の治安秩序維持の政策全般の展開を押さえたうえで、個々の具体的な施策の関連をみる。 各種会同における大臣・次官・刑事局長、大審院長、検事総長らの訓示・指示などを通して、各種の例規・通慄 ・司法省・司法官僚の全統治機構・機能における位置と役割 平沼および平沼系官僚(平沼閥) 「法匪」とよばれる司法官僚の評価 「満州国」官僚の中枢 内務省との競合 司法官僚の内相(鈴木、小原、平沼)・警保局長(山岡)就任 内務官僚の法相就任(川村竹治)
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