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1994 年度 実績報告書

モスクワ国家の貴族層-プロリポグラフィーの手法によるその形成史に関する研究-

研究課題

研究課題/領域番号 06610351
研究種目

一般研究(C)

研究機関北海道大学

研究代表者

栗生澤 猛夫  北海道大学, 文学部, 教授 (40111190)

キーワードモスクワ国家 / 身分制 / 封建制 / 貴族 / 退去権 / 勤務の自由
研究概要

平成6年度の研究目標は、モスクワ国家における貴族層の研究に関する史料収集とならんで個々の貴族に関するデータ・ベースの作成の第一歩をふみだすことであった。研究代表者はまずパーソナル・コンピュータの購入をはかり、そのための作業を開始したが、最初の設定に多大の労力がかかり、なおかつ設定そのものに再考の必要性が明らかになり、この点ではさらなる検討と努力が要請されている。その間に、ロシアの貴族層の研究の遂行にあたって、西ヨーロッパでいう「身分団体」としての貴族層に、ロシアの場合についても言及できるかの基本的な問題の解決に迫られ、これに関して一定の認識を獲得しない限り、本研究は砂上の楼閣になりかねないことが明らかとなった。その結果本年度の主要な作業はこの点の解明に向けられ、論文「ロシアにおける『身分制』および『封建制』の問題-『近世』ロシアの国制理解のための手がかりとして」(スラヴ研究センター研究報告シリーズ、第55号、1994年12月、1-18頁)として結実した。この研究では、主にドイツとロシアにおけるこれまでの研究を概観しつつ、いたずらに法史的、形式的議論に走ることなく、貴族層のあり方を具体的に史料に即して調査、検討する必要のあることを強調した。他に自由と独自の権利のないことが強調されてきたモスクワ貴族層にとって、16世紀前半までみられたとされる「退去権」、すなわち君主への勤務を自己の意志で離れる「権利」、の意味と実態を考察した論文が近く発表される予定である。(栗生沢猛夫「モスクワ国家における貴族の退去権ないし勤務の自由について」、和田他編『スラヴの歴史』弘文堂近刊)

  • 研究成果

    (4件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (4件)

  • [文献書誌] 栗生澤猛夫: "ロシアにおける「身分制」および「封建制」の問題-「近世」ロシアの国家理解のための手がかりとして-" スラヴ研究センター研究報告シリーズ. 55. 1-18 (1994)

  • [文献書誌] 栗生澤猛夫: "いわゆる「戦う教会」イコンについて" 中村喜和編『ロシア-聖とカオス』(彩流社). (予定). 69-87 (1995)

  • [文献書誌] 栗生澤猛夫: "モスクワ国家における貴族の退去権ないし勤務の自由について" 和田春樹他編『スラヴの歴史』(弘文堂). (予定). (1995)

  • [文献書誌] スクルィンニコフ(栗生澤猛夫訳): "イヴァン雷帝" 成文・社, 398 (1994)

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公開日: 1996-04-08   更新日: 2016-04-21  

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