1.平成6年度は、主として史料となるべき文献の調査および収集をおこなった。その結果、中世ボロ-ニャ史およびボロ-ニャ大学初期の史料集について知見を深め、ここにあらわれる12-13世紀のボロ-ニャ市および、大学関係者のデータ整理をおこなうことができた。本年度中に、データ整理対象となったのは、次の史料である。 (1)Annali bolognesi(Savioliによる) (2)Historia bolognese(Ghiravolucciによる) (3)Liber segretus Juris Caesarei(Sorbelliによる) ただし、本年度中に入手できるみこみであったChartularium studii Bononievsisは、到着が遅れているため、次年度の検討対象とする予定である。 2.とりわけ、都市と大学が結びついた事例として、公証人を取り上げることは、当時のイタリア都市社会において有効であるという知見が得られた。そのため、次年度は、この点に力点をおく予定である。
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