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1995 年度 実績報告書

古代イタリア半島におけるローマ世界形成の研究

研究課題

研究課題/領域番号 06610362
研究機関椙山女学園大学

研究代表者

石川 勝二  椙山女学園大学, 文学部, 教授 (60036390)

キーワード古代ローマ史 / 古代イタリア / ラティウム / 都市国家 / 青銅器時代 / 鉄器時代 / オステリア・デル-ザ / イグウィウム
研究概要

本年度は前年度に続いて国内において入手できる研究史料の調査と海外において刊行された資料の入手に務めた。イタリアにおけるギリシア人・フェニキア・エトルリア人・ガリア人のローマ支配以前の歴史を研究した。とりわけエトルリア人の起源は前2000年までさかのぼり、東方渡来説よりはるかに古い歴史がイタリアにおいて存在したことが明らかになった。本年度の研究を通して以下のような新しい研究の必要が明らかになった。
ローマの伝承による建国の歴史は、考古学上のクロノロジーの初期鉄器時代に当る。しかし歴史の再構成には記述史料も考古学史料も余りに乏しい。そこでローマ以外の地域の歴史の再構成から逆にローマ史を再考する方法が考えられる。そこで注目されるのは、古ラティウムのオステリア・デル・オ-ザとウンブリア地方の山間の盆地に生まれたグッビオ(古名はイグウィウム)である。
オステリア・デル・オ-ザは、鉄器時代に栄えた国家の1つで、そこの墓地の出土品は、儀式、性別、年齢、地位による様々な変形を示し、前900年〜580年の中部イタリアの都市国家の出現に関する豊かな識見を提供する。末期青銅器時代と初期鉄器時代に都市国家の形成があり、それはラティウム、南エトルリア、カンパニアに広く見られた。
グッビオ盆地は美しい高地の河谷にあり平野より隔っていて独自の発展をした。この地域の考古学的な長期の歴史の全容は最近明らかにされたばかりである。ここで発見された未解読の文「イグウィウムの表」の分析は、発掘・野外調査・環境の再構成と統合され、また青銅器時代の上地景観と出上物から、国家出現以前のイタリアの共同体の状況についての重要な貢献をしている。つまりグッビオの植民・初期の都市国家形成・ローマ世界への統合の歴史が解明されたが、この成果はローマ世界形成の解明にとって貴重である。

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] 石川勝二: "共和政ローマと民主政" 西洋史研究. 新輯24号. 1-22 (1995)

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公開日: 1997-02-26   更新日: 2016-04-21  

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