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1994 年度 実績報告書

古代ペルシア帝国の人物誌的研究

研究課題

研究課題/領域番号 06610367
研究機関立正大学

研究代表者

佐藤 進  立正大学, 文学部, 教授 (80015833)

キーワード古代ペルシア帝国 / 人物誌的研究
研究概要

本研究は、古代ペルシア帝国支配者層の個別人物誌的調査を行い、データの整理と分析を通じて帝国支配の諸問題の解明に寄与しようとするものである。この研究目的と作業計画にもとづいて、既存の資料と科学研究費補助金によって購入されたPauly-Wissowa Realencyclopadie der classischen Altertumswissenschaftとを利用して、個別人物的データの作成とその整理を進めた。これらの人物誌的データにもとづく具体的な考察のテーマとしては、研究者がこれまで従事としてきた帝国成立期に関する問題の中から、とりわけ議論の多い初期アケメネス朝の成立にかかわる問題が取り上げられた。その成果は論文「初期アケメネス朝の系譜」にまとめられて発表された。この論文は、人物誌的データの詳細な検討にもとづいて、アケメネス朝の起源を前700年ごろのアケメネスにさかのぼらせる一般的な通説を批判し、系譜そのものがダレイオス1世の支配の正当性を主張する根拠として作成されたものであることを明らかにするなど、新しい知見を提示している。なお、ダレイオス1世の人物誌的データとして、ビストゥン碑文の邦訳が行われた。この邦訳も、古代ペルシア語文だけではなく、エラム語文、バビロニア語文、アラム語文を含むものとして最初の試みである。
古代ペルシア帝国の人物誌的データは、前6世紀の初期アケメネス朝のみならず、前5〜4世紀の考察にさいしても適用されなければならない。しかし、それは研究者にとってより長期的な見通しを要する仕事であり、今後の課題とされるであろう。

  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] 佐藤 進: "初期アケメネス朝の系譜" 木崎良平先生古稀記念論文集 世界史説. 木崎良平先生古稀記念論文集編集委員会. 341-356 (1994)

  • [文献書誌] 佐藤 進: "ダレイオス1世の「諸国表」" 立正史学. 76. 41-60 (1994)

  • [文献書誌] 佐藤 進: "ダレイオス1世のビストゥン碑文(試訳)" 立正大学人文科学研究所年報. 32. (1995)

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公開日: 1996-04-08   更新日: 2016-04-21  

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