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1994 年度 実績報告書

複室構造横穴式石室の形成と展開に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 06610377
研究機関宮崎大学

研究代表者

柳沢 一男  宮崎大学, 教育学部, 助教授 (50239802)

キーワード古墳時代 / 墓制 / 横穴式石室 / 複室構造
研究概要

(1)日本における複室構造横穴式石室は、アイディアの導入に百済からのインパクトがあったかもしれないが、基本的には5世紀後葉から末葉の肥後型横穴式石室の内的構造変化のなかにその成立契機を認めることができる。熊本県北部の菊池側流域において源初形態から定型化にいたる過程を示す横穴式石室が明かとなった。
(2)複室構造横穴式石室の肥後北部から北部九州地域への拡散は、6世紀前葉から中葉にいたる短期間のあいだに急速に行われたことが確定的となった。そしてその初現期の場合、石室構造だけでなく埋葬付属施設としての石屋形や、肥後北部で成立した壁画系装飾を伴うケースが多いことが判明した。これによって、複室構造のアイディアだけでなく、埋葬習俗に伴う各種のイデオロギーを含めた複合的な墓制伝播と予想されるにいたった。
(3)九州・山口を除く地域の複室構造横穴式石室は、横穴式石室の基本形の成立過程と系譜関係、そして複室構造の導入過程と系譜関係を区分する必要が明確となった。四国と中国北部は在地化した九州系横穴式石室、畿内の一部と東海東部では畿内系横穴式石室に複室構造のアイディアが取り入れられたものと想定されるた。また畿内および関東以北に分布する複室構造は、九州系と異なった出現系譜であることが明確となった。

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公開日: 1996-04-08   更新日: 2016-04-21  

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