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1996 年度 実績報告書

同笵関係にある銅矛・銅戈の検出による弥生時代祭祀構造の復原

研究課題

研究課題/領域番号 06610383
研究機関京都国立博物館

研究代表者

難波 洋三  京都国立博物館, 学芸課, 考古室長 (70189223)

キーワード弥生時代 / 同笵品 / 青銅製祭器 / 銅戈
研究概要

今年度は,福島県筑紫野市隈・西小田出土銅戈,同県春日市小倉新池出土銅戈,同県小郡市大板井出土銅戈,大分県久住町鉾木出土銅戈の計測・採拓・実測図作成をおこなった。その結果,隈・西小田遺跡出土銅戈のうち,6号が,出土地不明の福岡市住吉神社蔵の銅戈6本中の1本と,同笵である可能性が高いことが判明した。大分県直入郡久住町鉾木出土銅戈は茎部に重弧文が鋳出されているが,同じ文様を同じ部位に鋳出している銅戈に,韓国慶尚北道晩村洞出土例,佐賀県大和町尼寺出土例,伝福岡県築上郡出土例,根津美術館蔵品がある。このうち,調査の機会があった韓国慶尚北道晩村洞出土例と鉾木出土銅戈を比較したが,同笵ではないことが確認できた。なお,昨年度までの調査で,茎にシカの絵を鋳出した銅戈が,従来知られていた隈・西小田遺跡出土銅戈のほかに,福岡県春日市原町出土銅戈の中にも1本あることを発見したが,今年度の調査で大板井出土銅戈にも茎にシカを鋳出した例が含まれていること,熊本県菊池郡大津町後迫大松山出土銅戈の茎の文様もシカの可能性が高いことが判明した。この調査で,シカを茎に鋳出した銅戈は,従来知られていた1例から4例に増えたことにより,銅戈の祭祀においてもシカのモチーフが重要な役割を果たしていたことが判明した点は大きな成果とできる。ただし,同笵品はその中にはない。

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公開日: 1999-03-08   更新日: 2016-04-21  

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