本研究費補助金によって、新潟県新発田市立図書館、福井県小浜市立図書館、横浜市大倉山精神文化研究所、山口県政資料館、同歴史民族資料館、山口県岩国市の吉川報効会、無窮会(前年調査)、国立公文館など、主要機関で資料調査を行った。その結果、東国儒学者の講義録が集中して所蔵されている機関は、新発田市立図書館、無窮会、大倉山精神文化研究所であり、他の機関は数点ぐらいを分蔵していることが判明した。その中で現存点数の多い稲葉迂斎・稲葉黙斎の資料を重点的に調査した。その一部をコピーで収集した。山崎闇斎学派の特徴として、講義者の口吻が分かるように筆録した講義録を残す慣例になっているため、江戸出身の稲葉迂斎・稲葉黙斎父子の資料によって、江戸語の実態の調査にとりかかる準備がととのった。
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