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1996 年度 実績報告書

自然言語の場所・空間表現に関する認知言語学的研究

研究課題

研究課題/領域番号 06610435
研究機関京都大学

研究代表者

山梨 正明  京都大学, 総合人間学部, 教授 (80107086)

キーワード身体部位 / 具象概念 / 抽象概念 / 比喩 / 視点 / パースペリティヴ / 意味変化 / 心的プロセス
研究概要

場所、空間を表す概念は、時間的な概念だけでなく、思考・判断・知覚などの人間の心的プロセスを特徴づける抽象概念を産みだす源泉としても重要な役割をになう。自然言語の抽象概念のかなりの部分は、身体部位や場所・空間にかかわる具象概念から比喩的な拡張のプロセスを介して派生されてきてる。このプロセスは、とくにわれわれの投影する視点やパースペクティヴに支配されている。本年度の研究では、日・英語の比喩的な理解のプロセスと視点やパースペクティヴの投影の仕方を綿密に検討しながら、まず身体部位にかかわる具象的な概念から場所、空間にかかわる概念への比喩的な拡張のプロセスを調査し、次に場所、空間を特徴づける概念から時間、質、量、感情等にかかわる抽象概念への拡張のプロセスを考察した。これまでの意味論を中心とする言語学の研究では、日常言語の概念の拡張は、具象的な概念から抽象的な概念に拡張される形で意味変化が起こるという一般的な事実は指摘されているが、具体的にどの種類の具象概念からどの種類のより抽象的な概念に意味が比喩的に拡張されていくかは、明らかにされていない。本研究では、この種の概念の拡張過程の方向として、基本的に身体部位の概念から場所、空間の概念へ、さらにこれらの概念から時間の概念、さら時空的な概念から質、量ならびに感情等の心理的な概念が比喩的に派生されていく傾向を明らかにした。また、この意味変化の方向は、一方向的であり、これらの推移関係の逆の方向への意味変化は一般に認められにくい点も確かめられた。

  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] 山梨正明: "感覚の拡張と意味の主観化" 未発. 2. 4-7 (1996)

  • [文献書誌] 山梨正明: "認知言語学の視界" ドイツ語学研究会報. 10. 16-26 (1996)

  • [文献書誌] 山梨正明: "認知科学からみた談話研究" AJALT公開講座資料集. 5. 1-9 (1996)

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公開日: 1999-03-08   更新日: 2016-04-21  

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