平成6年度から平成8年度まで3年間、研究費補助金の交付を受け、中世英国韻文ロマンスの主要な作品のうち、コンコーダンス未編纂の6作品の電子化とコンコーダンス編纂を遂行することができた。平成6年度は、Sir DegrevantとThe Grene Knight、平成7年度は、The Life of IpomadonとSir Gawene and the Carle of Carelye、平成8年度は、Le Bone Florence of RomeとThe Weddynge of Sir Gawene and Dame Ragnellの電子化とコンコーダンス編纂を完了した。 平成7年度までは、大阪大学言語文化部言語工学部門の汎用コンピュータを使用し、完成度の高いコンコーダンス編纂プログラムを利用できたが、平成8年度は、この汎用機が耐用年数を過ぎて使用停止になったので、パソコン上でMicro-OCPとワープロソフト(一太郎)を用いて編纂作業を行った。そのため使用できるフォントが限られ、若干の問題が生じた。 我々に残された問題として、これまでの研究成果、すなわちこれまでに作成した多数のコンコーダンスをいかに世界の研究者たちに公開していくかという問題がある。幸い「イギリスもの」4編、「ブリテンもの」7編の計11作品はドイツから出版されたが、その後に作成したものについては、版権その他これから解決しなければならない問題がいくつかある。 本研究は、昭和59年度より開始した中世英国韻文ロマンスの編纂計画の最終計画であり、この3年間の作業で中世英国ロマンスの主要な作品の機械可読化とコンコーダンス編纂を終了する。長年にわたって研究費補助金を交付して頂き、50編をこえる作品のコンコーダンス編纂に取り組むことができたことに対して感謝の意を表したい。
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