最終年度として、前年度から継続していた『ジャパン・ウイ-クリー・メイル』の調査を完了し、小泉八雲によると推測される匿名記事及び他の雑誌からの採録された作品を確定し、これを彼の作品目録に加えた。また、東京大学図書館所蔵のアメリカ時代の記事の写真ネガの写しを発見し、それがアルバ-ト・モ-デルおよび西崎一郎が編集に使用したものであることを確定することができた。 これまでの調査と確認作業の成果を踏まえて、小泉八雲の新聞寄稿記事を編集出版された資料のうち、お茶の水女子大学教授、故西崎一郎が編集した5冊の小泉八雲記事集成(北星堂書店、昭和14年)及びアルバ-ト・モ-デルの編集した数冊の記事集成と比較対照し、本文校訂を行ないつつある。 こうして、アメリカ時代の新聞寄稿記事と日本での英字新聞寄稿記事の全体を合わせて総合目録の補巻の出版準備を行なっている。 そして平成元年度から3年間の一般研究(B)「小泉八雲の文献的基礎研究」と合わせて、この二度に亘る研究によって小泉八雲の文献的な基礎調査をほぼ完成することが出来た。 ただし、現在日本国内でその存在が確認されていない『ジャパン・メイル』(日刊紙)を発見して、その中に含まれているであろう関係記事を調査することや在米の研究者に任せた確認作業をテキストの作製のためには現物に当たって見る必要がある。
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