(平成6年度) 在米時代の新聞寄稿記事を中心にアメリカの公立図書館の司書、シンシナティー市立図書館のアルフレッド・クラインクローツマン主任司書、テュレーン大学のシルビア・メッチンガー貴重図書司書、コロンビア大学アジア図書館エイミ-・ハインリッヒ博士、ジャパン・センターの田中欣二博士の協力を得てマイクロ・フィルムの複写によって調査研究を進めた。 この作業によって約500篇と予測されている未確認の記事のうち『シンシナティー・エンクワイアラー』とニューオリンズの『アイテム』を中心に約200篇を集成することができた。 ただし、日本における英字新聞の調査は、資料の保存が不十分なことと、資料が分散しているため、国立国会図書館、東京大学明治新聞図書館および横浜開港資料館によって調査を行ったが、目録が未整理なため逐次的作業を必要とし、多くの時間を要した。 (平成7年度) 前年度の作業を引き続き継続しながら、横浜開港資料館その他の公的機関において日本に於ける明治二十年代の英字新聞を調査し、小泉八雲が執筆したと思われる資料を確認した。 (平成8年度) 最終年度として御茶ノ水女子大学教授、故西崎一朗が編集した5冊の小泉八雲記事集成及びアルバ-ト・モ-デルの編集した数冊の記事集成と比較対照し、本文校訂を行なった。そしてこのことによってこの二度に亘る研究によって小泉八雲の文献的な基礎調査をほぼ完成することが出来た。
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