研究概要 |
1996年度の主目標は構文型毎の下位クラスの分析・分類と頻度数の確定である。ル・モンド紙の社説を基本資料として文単位で3000例ほどのデータベースを作成し詳細に分類した結果、次の様な概観が得られた。 頻度の観点から圧倒的重要性が認められるのは、他動詞構文の1258例あり、41%を越えている。中でも名詞を直接目的とする553例だけでも全体の18%を越えている。前置詞aやdeによる間接目的を取る他動詞の構文(N-V-N-a-N/Vinf,N-V-N-de-N/Vinf;N:名詞、V:動詞、Vinf:不定詞)も各々、92例、45例で注目に値する。 間接目的のみを取る構文は242例であるが、前置詞はやはりaとdcが多い。 代名動詞構文は205例で、これに態としての価値を認めるかどうかが一つの問題となるが、能動他動詞構文、受動構文との詳細な比較が必要である。 受動構文は200例で上の代名動詞構文の205例とほぼ拮抗しているのは興味深い。 属詞構文(e^^<^>treは除く)は105例で、その中で属詞が不定詞のものが36例で目立つ。 e^^<^>treの構文は次の非人称を除いても421例もあり、14%を越えている。e^^<^>treの全出現数は569例(助動詞は除く)で19%である(因みにavoirは106例で2%である)。 非人称構文はilのものが194例、ceのもの(分裂文)が70例で、e^^<^>treが78例と目立っている。人称の中には非人称構文が平行して存在しているものも注目すべきである。 主辞機能なしの動詞連辞核のものは我々の資料では無視してもよいほどである。 非動詞文は212例であるが、その内社説の表題の119日分を除いても93例である。これは自動詞用法の90例と比較してももっと注目されてよい。
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