1 入力された「ムカディマット・アル・アダブ」「イブン・ムハンナの語彙」「ライデン語彙」の語形の最終チェックを行った。 2 「ムカディマット・アル・アダブ」の表記では母音の長さの区別がなかったという証拠となる例をいくつか追加した。 3 「ムカディマット・アル・アダブ」に見られる子音重複を他の文字(モンゴル文字・漢字・チベット文字・ハングル)によるモンゴル語に見られる同様の表記と比較した結果、それは音節のonsetである子音とそれに続くrhymeである母音とを分けて発音できないために特殊な場合に生じたものであろうと考えた。 4 「ムカディマット・アル・アダブ」に見られる「語幹+語尾」という語構成のものを調べた結果、表記上語幹と語尾が分離しているかどうかは次の条件によっていることが分かった。 (1) 母音始まりの語尾は続けて書かれる (2) 子音始まりの語尾は続けて書かれるものとそうでないものとがあり、それは文法的違いによる この(2)によって、音写者自身モンゴル語を知っている人物であったことが推測される。
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