平成6年度はソヴエト期以前の研究を軸に金帳汗国の全体像を明らかにすることを中心にして、資料の収集を行った。研究が重要であるにもかかわらず、研究者が少ないことから、単行本には希覯のものが多く、閲覧はなかなかにむずかしいことが判明した。他方比較的近年の研究は、様々な雑誌に寄稿された論文の体裁をとるものが多く、複写の必要が多いことも、わかった。しかしこれは逆に言えば未だ研究が行き届いていないということであるから、困難はあるが、ぜひとも克服しなければならないと思われる。出来得る限りの努力は、現在も続けられている。 ☆なお本年度の資料調査は北海道大学文学部及びスラヴ研究センターにおいて行った。 1.いくつかの基本図書について、その内容を検討し、金帳汗国についてのおおよその状況を把握した。 2.これに平行してロシア年代記のうち、「原初年代記」および「ノヴゴロド年代記」について、これに該当する記述を収録した。今後はそのほかの諸年代記について同様の作業を行う予定。 3.一定数の研究論文の複写を行った。 4.一定数の文献目録のカードを複写した。 全体として若干の遅れはあるが、比較的順調に作業を遂行した。
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