本年度は昨年度の梶並地域基礎・予備調査をふまえて、本研究のテーマ内容に沿って研究を深化させるべく、調査を実施した。 そのため、研究テーマ言語学と文化人類学の接点を求めるべく、地域生活の中の語彙体系を中心に共同の現地聞き取り調査を行った。 方言学からは、方言の残存、変容調査を、文化人類学の面からは、社会・文化変化の現象を調査し、その両者の関係を検討した。その結果として、物・言葉ともすでに消滅してしまっているグループ、物は存在するが言語が消滅(あるいは新しい言葉に変化)したもの、言葉は残っているが者が消えた(新しいものに変わった)もの、さらに物、言葉とも新しく誕生(あるいは両方ともに変化)したもの等、いくつかのパターンに分類されることがわかってきた。そして、この結びつき(物と言葉の)の変化は当然のことながら、世代変化と対応しているとみなされると考えられる。 以上の点を中心に、次年度の研究成果報告をまとめたいと考えている。そのため、研究打ち合わせ会議を実施し、報告書作成にむけての準備も実施した。内容項目、執筆分担はもちろんのこと、必要経費の見積りも行い、各自、パソコンによるフロッピ-入力、交換、印刷所提出の形をとることに決定した。
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