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1994 年度 実績報告書

成立期コモン・ロ-における学識法(ローマ法・教会法)の影響に関する実証的研究

研究課題

研究課題/領域番号 06620004
研究機関九州大学

研究代表者

直江 眞一  九州大学, 法学部, 助教授 (10164112)

研究分担者 西村 重雄  九州大学, 法学部, 教授 (30005821)
キーワードコモン・ロ- / 中世ローマ法 / 教会法 / 訴訟手続
研究概要

1.本研究の目的は、1230年頃に書かれた著者不明の裁判実務の手引書『種々の裁判所の慣習』(Consuetudines Diversarum Curiarum)を主たる検討素材として、従来低く見られがちであった成立期コモン・ロ-における学識法(ローマ法・教会法)の影響を再評価することにある。この史料は、教会の民事裁判権・教会の刑事裁判権・世俗の民事裁判権・世俗の刑事裁判権の四つの部分から構成されており、今年度はこのうち最後の世俗の刑事裁判権の部分の半分を残すまで、解読をすすめることができた。今後は、残りの部分を読み終えた後、そこから得られた所見に照らして、従来の見解の中で修正すべき点を明らかにする作業を行う予定である。
2.今年度中に得られた新知見としては、次の点をあげることができる。
(1)本史料の写本は現在二つ伝わっている(Gonville and Caius College,Cambridge,205/111,PP.409-429;Cambridge University Library Mm.I.27,ff.76v-77v)。後者は前者を筆写したものであるが、世俗の裁判権の部分しか存在しない。両者を比較すると、後者は前者における行間挿入などを本文に収めているのみならず、前者における不注意な記述を訂正している箇所が多く、この点で、前者のみに基づいた刊本(Sel-den Society.vol.60,pp.cxci-cciii)は、不十分なものであることが、判明した。
(2)教会の民事裁判権における証人による証明と世俗の民事裁判権における陪審による証明の間には、手続上の類似性が認められ、この点での教会法からコモン・ロ-への影響を推測することが可能と思われるが、これについてはなお、他の史料との比較を行う必要があろう。

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公開日: 1996-04-08   更新日: 2016-04-21  

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