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1995 年度 実績報告書

国家結合論をめぐる国際法上の諸問題に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 06620024
研究機関九州大学

研究代表者

柳原 正治  九州大学, 法学部, 教授 (60143731)

キーワード国家結合論 / 主権国 / 国家 / 神聖ローマ帝国 / 国家連合 / 連邦
研究概要

本年度においては、18世紀後半から20世紀初頭にかけての、さまざまな国際法学者の「国家」論、「国家結合」論、さらには「国際社会」論の検討を行った。とりわけ、1770年代から19世紀のごく初頭にかけて唱えられた「ドイツ国際法論」の綿密な結合を行った。その中で、「(完全)独立国」、「(完全)自由国」、「現実の国家」、「主権国」、「半主権国」など、さまざまな国家概念が用いられていること、しかもそれらはいずれも、いわゆる「近代国際法」のキ-概念としての、「最高独立の権力ないし意志」としての「主権国」と異なること、などを明らかにできた。現代のわれわれが考えるような、国際法と国内法の截然たる区別、対内主権と対外主権の明確な区別を前提とする「主権国」概念についての理論化は、実は19世紀のごく末か、20世紀のごく初頭まで待たなければならない。そうした中で初めて、伝統的な「国家結合論」も成熟していったのである。
また、この研究の延長線にあるものとして、グロティウスの「国家間の社会」概念をめぐる、その後の多くの学者たちの論争も研究対象とした。その中で、ときに「国際連盟」のモデルといわれるヴォルフの「世界国家(civitas maxima)」概念も、この論争を踏まえたものであったこと、もっともその内実は、ヴォルフ固有の考えに基づくものであったこと、を明らかにできた。そして、その基礎にある「国家」理念は、現代の「主権国」概念とはかけ離れているのであって、そのことを十分理解しないかぎり、ヴォルフの世界国家概念と国際連盟の混同という誤解が生じることになることをも論証した。
以上の検討の上に、20世紀におけるさまざまな国家結合の現状の分析、さらには、今後のあり方、へと研究を展開していきたい。

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] 柳原正治: "紛争解決方式から見た日露領土問題" 日ロ平和条約締結の為の調査研究. 1-57 (1995)

  • [文献書誌] 柳原正治(共著): "国際社会の組織化と法" 信山社(予定), (1996)

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公開日: 1997-02-26   更新日: 2016-04-21  

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