研究課題/領域番号 |
06620037
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
民事法学
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研究機関 | 立命館大学 |
研究代表者 |
中井 美雄 立命館大学, 法学部, 教授 (60066602)
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研究分担者 |
和田 真一 立命館大学, 法学部, 助教授 (80240547)
山本 隆司 立命館大学, 政策科学部, 教授 (10150765)
佐上 善和 立命館大学, 法学部, 教授 (50081162)
荒川 重勝 立命館大学, 法学部, 教授 (00066680)
長尾 治助 立命館大学, 法学部, 教授 (90014430)
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研究期間 (年度) |
1994 – 1996
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キーワード | 消費者信用 / 債権回収 / 保護義務 / 説明義務 / 担保 / レンダーライアビリティ / 公序良俗 / 担保設定 |
研究概要 |
「消費者信用取引における担保設定に関する多数当事者間契約の実証的・比較法的研究」のテーマの下に、主として、日本法に関しては特定債権法、消費者保護の観点から融資者たる銀行が負うべき諸義務、すなわち説明(情報提供)義務、財産保護義務、適正担保評価義務等について検討し、外国法については、ドイツ法につき、故意に良俗に反する方法で債権回収を行った場合の、他の債権者に対する損害賠償責任の要件と効果を明らかにし、また英米法の特にレンダーラィアビリティーの考え方について、ニュージーランドやオーストラリア等の英米法圏をもあわせて検討した。 これらの銀行の諸義務は、従来から主張されている付随義務論や保護義務論の応用分野という側面が確かにあるが、他面で銀行取引、とりわけ消費者を相手とする信用契約であることの特殊性、たとえば社会的には取引が小額、多数であること、専ら人的担保に依拠していたり、無担保であったり、不動産売買提携ローンのような特徴的な担保形態をとること、そして基本的に存在する契約当時者間の社会的経済的地位の不均衡があり、それによってもっぱら金融機関によりマニュアル化されている取引プロセスなど、これらの特殊事情は十分に考慮されなければならない。 反面、いわゆるバブル経済崩壊後に生じている債権回収の困難な状況における不適当な回収方法や、上記の金融機関の諸義務に関する議論など、そこから派生している様々な問題がどこまで普遍性を持ちうるかという点にも留意する必要がある。その意味で、個別の法律問題にそのつど対処しつつも、民法の基本原理や歴史的発展経過と常に対照させながら、理論体系化する必要がある。
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