研究課題/領域番号 |
06620044
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
古矢 旬 北海道大学, 法学部, 教授 (90091488)
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研究分担者 |
中野 勝郎 北海道大学, 法学部, 助教授 (70212090)
山口 二郎 北海道大学, 法学部, 教授 (70143352)
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キーワード | 政治改革 / 行政改革 / 大統領制 / 革新主義 / 政権交代 / 選挙 / ニューディール / ポピュリズム |
研究概要 |
本研究の実績は以下の通りである。 第一に、アメリカ合衆国200余年の歴史における、政治改革の歴史を通観し、一般に「改革の時代」と称される、1820年代から40年代、1890年代から第一次世界大戦、ニューディール期、そして1960年代から80年代の4つの時期を、比較検討した。 第二に、政治改革の一般理論の構築をめざして、古矢は、大統領制、議会制、政党制などの政治制度を中心とした考察を、上の4つの時期に関して行った。その結論は、本来行政的な中央集権制の脆弱な合衆国においては、政治改革が「下から」もしくは「草の根から」発動されやすいこと、それだけに「改革」の成果を具体的な全国区的成果としてまとめ上げるためには、連邦政府の中に、強力なリーダシップが必要であり、そのようなリーダーシップが、存在するときが「改革の時代」を生み出すことを明らかにした。 第三に、中野は、政治思想史的な観点から、政治改革を導く諸思想(自由主義・共和主義・社会主義・革新主義・ポピュリズム・保守主義)の歴史的な諸相をとりあげ、「社会主義なき改革」として一般的に理解されているアメリカの政治変動の特色を明らかにした。 第四に山口は、この二つの視角を参考にしつつ、主として現代日本の政治・行政改革とアメリカのそれとの比較検討に力点をおいて研究を進め、その両者が、日本における行政優位、アメリカにおける政治優位と類型化される点を、実証的に明らかにした。
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