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1995 年度 実績報告書

経済体制の成立と崩壊の動学モデル分析

研究課題

研究課題/領域番号 06630003
研究機関千葉大学

研究代表者

榊原 健一  千葉大学, 法経学部, 助教授 (30187009)

研究分担者 野村 芳正  千葉大学, 法経学部, 教授 (00218372)
岩田 昌征  千葉大学, 法経学部, 教授 (60125284)
キーワード国家 / 社会契約 / 私的所有権 / 自然状態 / ホッブス / ロック
研究概要

1.前年度の研究実績として、ホッブス的な自然状態から夜警国家が成立するモデル(基本モデル)を構築した。研究計画ではこの基本モデルを基に社会主義および資本主義体制のモデルを作成することになっていた。しかしこのモデルは、解が複雑であるため国家成立の条件を拡張することが困難であり、また、agentがidenticalであるという条件を満たす解に限定したため、私有財産を伴う国家の動学的展開に必然的に発生する富の不平等化の分析が不可能でるという欠点があった。本年度の研究は、これらの欠点の解消を意図し、(1)自然状態における略奪(および防御)方法、(2)富の不平等を前提とした国家の動学的発展経路、の2点についてモデルの改良を行なった。
新たに得られた知見として(1)については、解を簡略化する条件を発見した("Property Rights System and the State of Nature"(千葉大学経済学科Working Paper♯95E014,平成7年11月発行、理論計量経済学会西部大会(平成7年6月)で口頭発表された同名論文を加筆訂正したもの)にまとめられている)。この条件に基づき、基本モデルでは未解決であったパラメーターの範囲における解を2人非協力ゲームのフレームワークで導出した。(2)については、富の蓄積と国家成立相互の動学的展開を分析した。そして結論として、(i)国家成立の必要十分条件が、富の一定量以上の蓄積、および富の不平等が一定率以下であること、(ii)富者が君主に貧者が臣民になること、(iii)国家の成立が必ずしも不平等の拡大(あるいは縮小)されないこと、が証明された。(2)については現在、working paperを作成中である。今後は2人からn人ゲームモデルへと拡張し、この上に経済体制に導入することを計画している。

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公開日: 1997-02-26   更新日: 2016-04-21  

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