研究概要 |
1.ヒルファデイングの組織資本主義論を補完する理論と評価できる,フリードリヒ・ポロックの諸論文を邦訳し発表した。すなわち,「資本主義の現状と新計画経済体制の見込み」(愛知大学国際問題研究所,紀要,第103号,1995年9月),「国民社会主義は新体制か」(愛知大学経済学会,経済論集,第139号,1995年12月)などである。これにもとづき,ヒルファデイングの見解との比較で,ポロックの見解を評価する論文「ポロックの国家資本主義論」を執筆した。(近く,発表予定)。 2.ヴァイマル共和国期の社会民主主義の経済思想および政治思想として,ヒルファンデイングの組織資本主義論とヘルマン・ヘラ-の国民主義的社会主義に論及した論文「ドイツ社会民主主義の生成と変容」を執筆し,平井俊彦編『社会思想史を学ぶ人のために』(世界思想社,1995)に発表した。 3.ドイツ社会民主主義に強い影響を及ぼしたフリードリヒ・エンゲルスの生涯の理論活動の意義を論じた論文「エンゲルスの理論活動の意義と問題-没後100年を記念して-」(経済学史学会,年報,第33号,1995年10月,所収)を発表した。 4.相対的安定期の社会経済の状況を探るために,Carl Bergmann, Der Weg der Reparation, Frankfurt am Main 1926,などを読んだ。 5.この時期のヒルファデイングおよびナフタリンの組織資本主義=経済民主主義の思想を研究するために,Hans Willi Weinzen,Gewerkschaften und Sozialismus. Naphtalis Wirtschaftsdemokratie und Agartz'Wirtschaftsneuordnung, Campus 1980.等の研究書を読んだ。
|