研究概要 |
この研究期間の間に,次のような研究活動および成果の発表を行うことができた。 1.ドイツ・インフレーション期の経済情勢およびその期の社会民主党の経済政策思想と政策的な対応について研究し,論文「ドイツ・インフレーションとヒルファディング」を発表した。 2.ヒルファディングの組織資本主義を補完するような資本主義観を提出した,フランクフルト学派の経済理論家フリードリヒ・ポロックの論文四編を邦訳,発表し,また,かれの資本主義観に関する二つの論文を発表した。 3.ヴァイマル共和国期の社会民主主義の経済思想および政治思想,とりわけ,ヒルファディングとヘルマン・ヘラ-の思想を概観する論文「ドイツ社会民主主義の生成と変容」を執筆し,発表した。 4.European Social Science History Conference 1996(1996.5.9,Amsterdam),進化経済学会第一回大会(1997.3.29,京都),および経済学史学会第61回全国大会(1997.11.8,福井)などの学会において,それぞれ,"The economic thought of German Social Democracy in Weimar Republic",「社会ダ-ウィン主義における進化論と社会民主主義」,および「ヴァイマル共和国期のヒルファディング--同時代の経済理論家との関連で--」などのテーマで,報告した。 5.ヴァイマル共和国期の経済思想に関する,F.Ritter,B.Fischer,C.-D.Krohn,H.W.Weizen,S.Weichelin,H.Dubielなどの研究書を読んだ。これらの研究書を初めとして,当該研究期間に購入した研究書に基づき,今後研究を進め,ヴァイマル共和国期の社会民主主義の経済思想を,その社会経済史的な背景との関連で,さらに解明したいと思っている。
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