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1995 年度 実績報告書

企業の属性と対外直接投資-電気機器産業企業データによる実証分析-

研究課題

研究課題/領域番号 06630028
研究機関一橋大学

研究代表者

深尾 京司  一橋大学, 経済研究所, 助教授 (30173305)

キーワード直接投資 / 産業の空洞化 / 研究開発
研究概要

昨年度に引き続き、電機産業に属する日本企業について、東洋経済新報社『海外進出企業総覧』、『有価証券報告書』、通産省産業政策局国際企業課が実施した『海外事業活動期本調査』の個票結果、等をもとに海外進出の程度、輸出、現地法人からの逆輸入、研究開発集約度等のデータを入力、整理し実証研究を行った。研究により次の3つの結果を得た。
1.企業の海外進出と日本の貿易収支
電機産業に属する本社企業とその現地法人について、理論モデルを作成した後、パネルデータを使って海外生産が本社の輸出と逆輸入に与える影響を分析した。分析の結果、アジアについては現地法人の生産活動を高めた本社企業ほどアジア向輸出額が増えたが、逆輸入を引いた純輸出については減少する傾向が見られた。また、北米については、現地法人が生産活動を高めた本社企業ほど北米向輸出が減少したことがわかった。これらの結果は、少なくとも企業レベルで見るかぎり、海外生産活動の拡大が本社の生産活動の縮小を伴う可能性が高いことを意味する。
2.海外進出が国内雇用に与える影響を理論的・実証的に分析し、分配効果は間接資本移動の効果よりむしろ小さいこと、輸出減・逆輸入増を通じた雇用減少は一部の産業で深刻な可能性があること、等の結果を得た。
3.研究開発集約度等の企業の属性が、企業の国際化にどのように影響しているかを分析した。その結果、研究開発集約度の高い企業ほど海外進出する確率が高くなること、研究開発集約度の高い企業ほど在欧米現地法人の国内に比べた生産比率が高くなること、しかし在アジア現地法人については研究開発集約度の低い企業の方がむしろ海外生産比率が高くなること、等の結果を得た。

  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] 深尾京司・中北徹: "現地法人の生産活動が本社企業の輸出・逆輸入に与える影響について" 通産研究レビュー. 7. (1996)

  • [文献書誌] 深尾 京司: "日本企業の海外生産活動と国内労働" 日本労働研究雑誌. No.424. 2-12 (1995)

  • [文献書誌] Fukao,K.,Izawa,T.,Kuninori,M.,Nakakita,T.: "R&D Investment and Overseas Production: An Empirical Analysis of Japan′s Electric Machinery Industry Based on Corporate Data" Boj Monetary and Economic Studies. Vol.12 No.2. 1-60 (1994)

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公開日: 1997-02-26   更新日: 2016-04-21  

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