研究課題/領域番号 |
06630045
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研究機関 | 長岡短期大学 |
研究代表者 |
原田 誠司 長岡短期大学, 経営情報学科, 教授 (90228643)
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研究分担者 |
高橋 哲郎 長岡短期大学, 経営情報学科, 講師 (90226853)
秋谷 紀男 長岡短期大学, 経営情報学科, 助教授 (00202549)
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キーワード | 企業ライフサイクルの短命化 / 戦略経営型企業 / 産業・情報アクセスチャネル |
研究概要 |
平成6年度の研究で新しい知見として明確になった点は、以下の通りである。 1.企業ライフサイクルの短命化--川崎市と信濃川テクノポリス地域の製造業3,200社へのアンケート調査の結果(220社の回答)から、両地域の中小製造業の企業ライフサイクル(スタートアップ-成長初期-安定的成長-事業再構築-新成長の5期のうち前3期の期間)は約30年(1960年以前の創業企業)、約23年(1960〜1975年に創業した企業)、約15年(1975年以降創業企業)であり、短命化していることがわかった。また、1990年代初頭の数年間に大半の企業が事業再構築期に入り、新規創業ないし新成長期の企業は極めて少ないこともわかった。 2.戦略経営型企業の登場--1975年以降の創業企業はそれ以前の創業企業とは異なった戦略経営型企業が中心になっていることがわかった。創業者は40歳代で会社役員か技術・研究者の経歴をもち自らのアイディアを活かすタイプが中心となっており、1975年以前創業者(20〜30歳代で生産職や営業職もかなり多い)とは明らかに異なる。したがって、経営理念・経営計画を創業当初から明確にし、技術・研究開発とそのネットワーク型活用(大学等)を重視し、より付加価値の高い新市場分野に進出を図るという高成長・高収益追求型の戦略的目標が明確である。これは、激しい技術進歩のなかでの創業の困難とともに、新しい創業条件を示す。 3.産業・情報アクセスチヤネルの違い--川崎市と信濃川テクノポリス地域の製造業の立地条件の違いは、前者は顧客への近接性、後者は工場用地と労働力の確保と異なるが、戦略経営型企業では研究開発等の情報アクセスのタイプの違いとして確認できる。前者は大企業・親企業との関係で情報を得るが、後者は大学等の研究機関の活用が多く、東京圏の工業集積地域と地方の工業集積地域の特性が明らかになった。
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