地球環境保全のための有力な手段として、経済的手段(economic instruments)がある。炭素税(carbon tax)やより広義の環境税は、代表的な経済的手段である。本研究は、日本の現行税制を前提とし、炭素税あるいはECが提唱しているような炭素/エネルギー税を構築したら、どうなるかを、理論的・実態的に検証したところに特徴がある。おそらく、所得税、法人税、消費税に次ぐ税収を確保でき、かかる点政策的にはその税収をどう活用するかが、大きな問題となろう。一応今後の地球温暖化の進捗を考えて、この種の新税導入の必要性を強調しておいた。ただ政治的に克服せねばならない問題が多数あることに留意せねばなるまい。
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