平成6年度は製造業を中心に、平成7年度は第三次産業を中心に既存および収集した文献・資料による研究、対象グローバル企業への訪問調査とアンケート調査を実施した。また国際通信関係企業での意見聴取と資料収集を行っている。研究・調査成果の一部はをオフィス・オートメーション学会全国大会で発表するとともに、つくば国際大学『研究紀要』第2号、第3号に投稿した。これらの調査の結果、業種によってグローバル化やグローバル情報技術に大きな差異のあること、同業種では企業規模とともに多角化の程度がグローバル情報技術に影響を与えていること、大規模企業の中では、事業部門によってグローバル化の程度やグローバル情報システムの発展段階に違いのあること、アジアとの間の情報インフラが急速に整備されつつあること、特に第三次産業は企業・業種ごとのグローバル化、グローバル情報技術の格差が大きいことが判明した。 平成8年度は、まず過去2年間の調査結果の再分析と補充調査を行い、本研究に関連が深いと思われる新しい情報技術に関して、過去の回答企業を対象に調査を実施した。この調査によってインターネット、EDI、グループウェアは利用率が高いこと、イントラネット、CALSはこれからの課題あること、既存のシステムやネットワークの関係では当面併用することなどが明らかとなった。この結果はつくば国際大学『研究紀要』第4号に投稿中である。本研究の最後に5章で構成される最終報告書を作成したが、第1章「わが国経済のグローバル化」、第2章「わが国企業のグローバル化の現状と目的」、主として平成6年度に研究した「製造業のグローバル経営戦略とグローバル情報技術」は第3章、平成7年度の「第3次産業のグローバル経営戦略とグローバル情報技術」は第4章、平成8年度に実施した「グローバル企業に対する新情報技術の実態調査」は第5章の構成となっている。
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