研究概要 |
簿記・会計教育のマルチメディア化された教材開発のために画像処理の評価,画像のもとになる資料の収集計画の作成を行った。また,わが国の代表的な財務データベースである日系NEEDSを利用する財務分析ツール『財務分析ツールKID』を,九州産業大学金川一夫氏,青山学院大学情報科学研究センター助手深澤弘美氏の協力を得て開発した。利用範囲を拡大するため,ノート型パソコンで,Windows版Visual BASICにより,必要とする企業の選択(直接選択・条件選択),データの抽出,分析結果のグラフ化をマウス・クリックのみで実行できるシステムである。とくに企業の決算期変更の調整を可能にし,また,NEEDSを購入できない利用者のために26社10年間の模擬データも作成した。平成7年度より青山学院大学の「コンピュータ会計論」ではサーバーSV98を介して70台のパソコンと結び一斉授業の教材として用いる予定である。システムの利用には何ら説明を必要のない利用容易なシステムであるが,データの意味するところを説明するマニュアルを現在執筆中であり,5月末には公刊したい。 当システム開発の副次的効果として,日米企業の倒産分析比較に当たっては,救済合併,更生法申請等により存続するという日本的経営の特徴を明確にする必要があり,上場廃止会社の追跡調査と合併会社・被合併会社のデータの遡求的合算処理が今後検討しなければならない問題であることが判明した。
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