研究課題/領域番号 |
06640012
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研究機関 | 宇都宮大学 |
研究代表者 |
藤崎 源二郎 宇都宮大学, 教育学部, 教授 (20012289)
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研究分担者 |
木村 寛 宇都宮大学, 教育学部, 助教授 (70017953)
北川 義久 宇都宮大学, 教育学部, 助教授 (20144917)
藤平 秀行 宇都宮大学, 教育学部, 助教授 (70114171)
落合 昭二 宇都宮大学, 教育学部, 教授 (30031545)
木村 茂 宇都宮大学, 教育学部, 教授 (70007962)
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キーワード | 岩澤理論 / II_p-拡大 / 岩澤不変量 / 有限位相 / flat torus |
研究概要 |
有限次代数体kのガロア拡大K/kのガロア群がp進整数環(p:素数)II_pの加法群に同型であるときK/kをII_p-拡大という。II_p拡大K/kに対しその中間体の列k=k_0Ck_1C・・・CK,k_n/kはp^n次巡回拡大、が唯一つ定まる。k_nのイデアル類群のp-シ-ロ-群の位数をp^<en>とすれば、ある番号より大きいすべてのnに対してe_n=λn+μp^n+Vとなる整数の定数λ(≧0)、μ(≧0)、Vが定まる(岩澤類数公式)λ、μをII_p-拡大K/kに対する岩澤不変量という有限次代数体kに1のpベキ乗根すべてを添加した体k_∞はkのII_p-拡大体となり、k_∞/kをとくに円分II_p拡大とよぶ。岩澤不変量λ、μの研究は代数的整数論における中心的課題の一つであり、とくに円分II_p-拡大に対するλ、μの研究は重要かつ興味あるものである。本研究ではとくに円分II_p拡大に対するλについて考察した。すなわち、研究代表者藤崎はkが有理数体(1)のあるガロア拡大(ガロア群が(2,2)型のアーベル群、四元数群など)であるとき、(kの円分II_p-拡大に対する)λについてある結果(kの部分体のλとの関係)を得た。また特別なpについて計算例を集めた。 一方、藤崎は雑誌数理科学に岩澤理論についての解説を執筆した。すなわち、その発生から現在までの発展を代数体のII_p拡大の理論、p進L函数の理論および両者を結びつける画期的な岩澤の主予想について解説し岩澤の主予想の解決(ある場合の)が円分体論において著しい結果を導いたことを説明した。岩澤の主予想の一般の場合の解決は今後の重要な問題である。 研究分担者落合は有限位相に対応する行列上のある位相不変量の直和に関する等式を証明した。研究分担者北川は3次元単位球面内のflat torusの微分幾何学的性質を研究して、S^3に埋め込まれたflat torusはS^3の対蹠写像により不変であることを証明した。 分担者木村寛は数学教育において授業に関する一つの知見を加えた。
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