研究概要 |
n次元射影空間P^n(n≧4)上の階数2のベクトル束に付随する行列式多様体を新しく定義し、ベクトル束の領域で重要な研究課題である次の予想を研究した。 予想(Sumihiro): C_1^2-4C_2≧0をみたすP^4上の階数2のベクトル束は線束の直和である。 予想(Hartshorne): P^n(n≧6)上の階数2のベクトル束は線束の直和である。 上記予想を解決するために、P^n(n≧4)上の階数2のベクトル束Eの行列式多様体Xの次の代数、位相、微分幾何学的諸性質を研究した。 1)X上の因子 2)Xの位相幾何的構造 3)XのCohomologyH^*(X, C), Hodge numbers h^<p, q>(X) 4)Cohomology H^*(X, L)とCohomology H^*(P(E), L)との比較定理(LはX上の線束) 5)Xの接ベクトル束、法ベクトル束などのX上の種々のベクトル束 6)Xのnumber of moduli, geography,周期写像 これらの副産物として、豊富な幾何学構造を持つ一般型代数多様体の新しい領域が調べられたと共に、豊富ベクトル束の対称テンソル積に関する小平型消滅定理と代数曲面上の因子の数値的正値性の判定法が得られた。現在、これらの諸結果を利用して上記予想解決に向けて努力中であると共に、これらの諸成果を論文On the geometry of determinantal varieties associated to 2-bundles on P^n and its applicationsにまとめている。
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