研究概要 |
複素簡約線形代数群Gの作用をもつaffine複数代数多様体を考える。その代数的商写像が同次元fibreのみをもつとき、この作用は同次元と言われる。1970年代の半ば以降、V.L.PopovとV.G.Kacは同次元なGの線形表現は余自由(cofree)であろうと予想している。この予想についてGが半単純の時は研究されつつあるが、ここではいまだ手付かず非半単純かつ非torusのGについての予想の研究を試みる。そこでG'を半単純部分とする。G-表現Vについて、(V/G',G/G')が同次元のとき、相対同次元といい、(V/G',G/G')はVのG'への制限の同次元torus拡大といわれる。相対安定も同様に定める。我々の研究の基本的道具は、torusのconicalな安定同次元作用は余自由であるという、研究代表者による定理である。得た結果は概略次の三つに分かれる。: (1)単純代数群の表現の安定な同次元torus拡大を決定した。 (2)簡約代数群の相対安定な相対同次元表現に本質的に現れる既約成分を決定した。これらの半単純成分への制限はP.Littelemann[J.Algebra 123(1989)、193-222]の部分リストになり、ア・プリオリに余自由になる。; (3)半単純代数群をひとつ固定するとき、相対安定な、しかも相対同次元拡大で自明でないものをもつような表現は、自明部分を除いて有限個でありその個数の上界も具体的に与えられる。これはPopov[Chap.5,AMS Trasl. Math. Mono. 100]の部分的一般化・精密化とも解釈できる。: これら諸結果はここで明確な形で述べるにはスペースが足りない。準備的部分と一部を除いて、今後数本の論文にまとめられる予定である。
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