1.距離正則グラフの研究においては、様々な問題と関連して、部分グラフを構成することが重要な問題である。今年度は、平木氏による、Geometric Grithのboundと関連した、generalized Moore subgraphの存在定理、Chih-Wen Wengの、classical parameterを持つグラフの研究と関連した、subgraph chainの存在というめざましい結果が得られた。鈴木も、これら二つの研究に関して、Geometric Grithが、5の場合のsubgraph chainの存在を示した。いずれの研究も、subgraphの存在から、幾何を構成するというところまでは、まだ進展していないが、近い将来、その方向の大きな進展を予感できるような素晴らしい進展だったと思う。 2.表現論の利用では、距離正則グラフと相対の対象とも言える、Q-polynomial association schemeの研究は欠かせないが、いままで、殆どなされていなかった。今年度、Neumaire diagramというものを使って、表現に関係したparametersの等式を得るという新しい方法が、Garth Dickieや、鈴木によってなされ、この分野に新しい道具を提供することとなった。この方面の研究は、ますます盛んになるものと思われる。 3.距離正則グラフは、非常によいクラスのAssociation schemeとも考えられるが、今年度は、冨山による、parametersによる特徴付け、また、冨山-山崎によるその更なる発展、山崎によるValency3のAssociation schemeの分類など、Association schemeの組合せ構造を、距離正則グラフの研究で培われた技術で研究し非常なる成功を収めるという、素晴らしい年でもあった。この方面の研究がさらに優れた若い研究者によって活発に研究されていくことは確実と思われる。 4.上記の結果も、電子メールによる、mailing listを用いた、seminarを通して、改良が加えられていったこともあり、今後ますます、世界中の研究者のコミュニケーションが重要になっていくと思われる。
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