研究概要 |
平成8年度は,符号理論の方を優先させた.多変数Kloasterman和から新しい符号を構成し,その重さ分布の一様性を示した.これが,情報理論の中でのSato-Tate予想に通じる方向であると思われる.また,有理点をより多くもつ有限体上の代数曲線を探し,それから従来よりより高信頼度をもつ符号を構成する原理を保型形式論や数論と関連させて再構成し,それらを多変数Hilbert型モジュラー多様体へ拡張する際のbaseにした.これらをモデルにして、数論的多変数システム理論とでもいうべき分野を構築する予定である. これらと関連する計算量,フラクタル,組み合せ論の方面でも多くの進展があった. 尚,Hilbert型多変数Selberg zeta関数の構成とその応用についても今後の課題とした.
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