研究課題
有限群が多様体に滑らかに作用している状況での同変手術障害は、多様体が偶数次元でかつ境界をもつとき、拡張スタインベルグ群と密接に関係していることを見い出し、以下のように研究した。(1)拡張スタインベルグ群の元のシャープ分解(7要素分解)の各要素と幾何学的変形による交差形式の変形との関連について研究を行い、単純にシャープの理論のアナロジー可能な部分は理論の展開ができた。しかし、多くの困難が今後の研究課題として残った。(2)拡張スタインベルグ群の拡張初等群の完全中心拡大としての定義と相対K-理論とのかかわりについてAnthony Bakらと共同研究を行った。また群が巡回群の場合に拡張K-群の計算をDarius Wilczynskiの協力を得て行った。(3)スタインベルグ群の研究を幾何学的に応用するために、偶数次元の同変多様体について研究した。Errki Laitinenとの共同研究によりオリバー群における特殊な表現空間の存在に関する定理を、柳原守との共同研究により素数巾でない位数の群における特殊な表現空間の存在・非存在に関する定理をKrzysztof Pawalowskiとの共同研究により特殊な表現空間や同変ベクトル束の存在に関する結果を得た。この研究で得られた結果の一部については日本数学会総合分科会や変換群論シンポジウムにおいて発表した。またこの研究を支えて下さった事務の方々、そして研究に理解を示し、協力して下さった他大学の研究者の皆様にこの場をおかりし感謝の意を表します。
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