研究分担者 |
坂内 悦子 九州大学, 大学院・数理学研究科, 助教授 (00253394)
塩谷 隆 九州大学, 大学院・数理学研究科, 助教授 (90235507)
加藤 十吉 九州大学, 大学院・数理学研究科, 教授 (60012481)
田中 俊一 九州大学, 大学院・数理学研究科, 教授 (00028127)
塩浜 勝博 九州大学, 大学院・数理学研究科, 教授 (20016059)
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研究概要 |
幾何学的トポロジーにおけるstratification をもつ空間の同相写像の変形理論をリプシッツ同相写像の変形理論に拡張する事は,可能であると思われるが,相当大きな労力を必要とする事が判明した。これは長期的視野において捉えていくべき問題であろう。従って現在,アレクサンドロフ空間の,2乗可積分関数のつくるヒルベルト空間への埋め込みによる方法を考察中である。この場合,ヒルベルト空間に埋め込まれたアレクサンドロフ空間をアフィン部分空間で局所的に近似する点が鍵となる。アレクサンドロフ空間の特異性がそれ程大きくない場合には,この手法を用いる事によって,リプシッツ同相写像を構成することが可能となった。一般の場合は未だ不明であり、現在研究中である。更にアレクサンドロフ空間の特異点集合がハウスドルフ測度に関して測度0を持つ事,及び特異的集合の補集合上にリーマン構造が導入される事なども判明した。またアレクサンドロフ空間の等長変換群がリー群になる事も判明し,リーマン幾何学への重要な応用(リーマン多様体の基本群の同型類に関する有限性定理など)も見い出された。これらの結果はアレクサンドロフ空間の幾何学において基本的役割を果たすものと期待されるものである。特にアレクサンドロフ空間上の解析学の展開など,新たな研究分野が開ける可能性をもつ。一方,リーマン幾何的手法を部分多様体論に応用する試みもなされ,曲率及び体積の下限を与えて,凸超曲面と標準的球面とのR^<n+1>におけるハウスドルフ距離を評価した。更にはめ込みから定まる量のノルムと平均曲率から定まる積分不等式を用いて部分多様体のベッチ数の和の評価を与えた。
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