研究課題/領域番号 |
06640252
|
研究機関 | 熊本大学 |
研究代表者 |
河野 實彦 熊本大学, 理学部, 教授 (30027370)
|
研究分担者 |
菱田 俊明 熊本大学, 大学院・自然科学研究科, 助手 (60257243)
原岡 喜重 熊本大学, 教養部, 助教授 (30208665)
岡 幸正 熊本大学, 理学部, 助教授 (50089140)
高田 佳和 熊本大学, 理学部, 助教授 (70114098)
相川 弘明 熊本大学, 理学部, 助教授 (20137889)
|
キーワード | フックス型微分方程式 / 超幾何微分方程式系 / モノドロミ-群 / 接続問題 / 微分方程式の既約性 / S-N分解 / 形式的巾級数解 / 数式処理 |
研究概要 |
モノドロミ-群の研究は、微分方程式論の大域的研究の中でも重要な課題である。例えば、微分方程式が可約(低階の微分方程式に分解可能)かどうかの判定等は、モノドロミ-群の可約性と密接に関連する。P´上に確定特異点しか持たないフックス型微分方程式は超幾何微分方程式系と呼ばれる連立形に変換できる(そのアルゴリズムは既に研究代表者河野の研究によって数式処理化されている)が、本研究課題の研究目的の一つとして、そうした超幾何微分方程式系に対するモノドロミ-群の決定や可約性に対する研究、S-N分解による解の構成に関する研究及びそれ等の数式処理化の研究を行い、数々の成果を挙げることが出来た。先ずモノドロミ-群についてであるが、局所解が対数的特異性を示す場合の計算例はほとんど無く、研究代表者河野は4階、5階、6階の超幾何微分方程式系に対する最も一般的な形でのモノドロミ-群を完全に決定した。生成元の行列の要素を決めるにあたっては、従来の研究では小行列式の退化条件を用い、非線形不定方程式を解くという複雑な計算に依っていたが、決定条件を全て線形関係式に帰着させるという方法論を開発し、システムを構築した。次に局所解の構成に関する研究では、微分作用素のS-N分解理論に従いその数式処理化を行った。また純理論的研究成果としては、超幾何微分方程式系に対する接続問題の完全な解明がある。 分担者達も、超幾何微分方程式系の既約性の研究(原岡)、ポテンシャル論の研究(相川)、非線形現象の解明の研究(菱田)や、統計処理に関する研究(高田)において、それぞれ多大の成果を挙げた。
|