1.界面運動方程式に対して、陳-儀我-後藤及びEvans-Spruckの粘性解による等高曲面法の理論を更に発展させた。曲面が接触したり切れたりするとき特異点が生じた後も曲面の運動を追跡することができるという等高面法の特徴を活用して、異方性を含んだ方程式の粘性解及びその等高面で表す曲面の運動の漸近挙動をさらに調べた。特異点が生じる前後の状況および解の消滅時刻の評価などができた。また、数値解法を利用して解の消滅するときの漸近挙動と消滅時刻を追跡できた。 2.界面運動のモデルである平均曲率運動の等高面方程式に対する差分スキームを改善し、差分法の安定性の証明方法を活用して、特異性をもつ拡散方程式の数値解析を行った。特に、広義解の性質の解析にとって重要なデータを得た。 3.典型的な条件の下で解を数値的に解析し、シミュレーションを行い、あるパラメータの値によって解は滑らかになるか、ごく短時間に(瞬間で)消滅することを明らかにした。この数値解析の結果は、広義解の解析に重要な参考データを提供した。さらに解析した結果、一定の条件の下で広義解は瞬間で消滅する、つまり、連続解が存在しないことを理論的に証明することができた。 4.国際的には、この研究分野について、中国、アメリカ、ロシア、ル-マニアなどの研究者と交流関係を確立し、今後共同研究を進めることになった。
|