研究課題/領域番号 |
06640291
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研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
田栗 正章 千葉大学, 理学部, 教授 (10009607)
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研究分担者 |
渚 勝 千葉大学, 理学部, 助教授 (50189172)
吉田 英信 千葉大学, 理学部, 教授 (60009280)
中神 潤一 千葉大学, 理学部, 教授 (30092076)
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キーワード | リサンプリング法 / ジャックナイフt統計量 / 高次の漸近展開 / 被履確率 / 二標本問題 / 二標本層別サンプル / ブ-チストラップt統計量 / 検定のサイズ・パワー |
研究概要 |
本研究では、リサンプリング法の内の代表的的な2つの手法、すなわちジャックナイフ法とブートストラップ法を取り上げ、これらの方法を推定や検定に適用した場合に、どのような情報が抽出できるかについての検討を行った。その研究手順および得られた主な結果は、以下のようなものである。 1.ジャックナイフt統計量の標本分布に対して、統計幾何学的手法を用いて、3次までのエッジワ-ス展開およびコ-ニッシュ・フィッシャー展開を与えた。この結果を具体的な統計量に対して適用するために、本研究では変動係数の推定問題を、理論的および数値的に検討した。その結果、被履確率の観点から、2次のコ-ニシュ・フィッシャー展開は、正規近似をかなり改良しているが、3次の展開はそれよりかなり良いことがわかった。 2.二標本層別サンプルに基づいて、2つの母集団平均の差を検定する問題に対して、ブートストラップt検定を適用する方法について研究を行った。帰無仮説の下で検定統計量の分布を精度よく近似し、検定のパワーをあげるために変数変換を行った後、単純無作為標本と層別無作為標本に基づくそれぞれの場合について、検定のサイズと、パワーを数値計算により求め、変数変換を行わない場合を含めて、各場合の比較・検討を行った。その結果、位置変換を行わない場合にはパワーが極めて低いことが判明した。最適な変数変換については、目下検討中である。また層別標本であることを考慮にいれたブートストラップt統計量を提案したが、この統計量による検定は、単純無作為標本の場合の対応する統計量より、パワー、サイズともに向上する場合の多いことが判った。この他、確率過程とそれに関連する問題における情報抽出の研究も行い、いくつかの成果を得た。
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