研究課題
統計的推測方式においては母集団についての既存の事前情報を利用する推測方式がベイジアン学派によって研究されてきた。そこでは既存の知識を母数の事前分布として導入しこれを標本の提供する情報に組み合わせる推測方式が研究されてきた。本研究においては標本の提供する情報と既存の事前情報を推測方式としてベイズ的な立場と異なる統計的推測方式の研究を行った。従来の研究においては母数に関する事前情報が点で与えられていたが、この研究では母数に関する事前情報が区間で与えられる場合について研究を進めた。このために、カリフォルニア大学のGokhale教授が提案した最小判別情報量規準を適用し新しい推測方式が得られた。この推測方式は平均2乗誤差を推測の良さの基準としたとき従来の推測方式より優れているが示された。初めは1標本に基づく推測方式について研究してきたが、2回標本抽出法に基づく推測方式についても研究を進めた。つまり2回に分けて標本抽出できるという条件のもとでの推測方式を与えた。ここでは、母数に関する事前情報が区間情報で与えられるとき、第1に2回標本抽出法によってどれだけの標本の大きさの減少が期待できるか、その標本の大きさの節約を検討した。第2に事前情報を利用しない通常の推定量との比較を平均2乗誤差を用いて行った。これらの研究の結果の一部は、平成6年12月15日に平成6年度文部省科学研究費総合研究(A)「統計推測における統計モデルの役割に関する総合研究」のシンポジウムで発表した。
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