研究課題
前年度に引続き、数値解析的研究では、特異振動問題から導かれる差分方程式等の非対称な行列を係数行列とする連立方程式を解く場合の、非対称性を利用した有効な計算法である"順序付き改良SOR法"を発展させた。係数行列が三重対角行列や上Hessenbcry行列の場合の反復行列のスペクトル半径を実際に0にする緩和係数や順序付けに言及し、従来の反復法の代表であるSOR法とGaussの消去法等の直接法との関係を解明するにとどまらず、非対称行列の特長を利用した実用的な連立方程式の計算法を移流拡散方程式を離散化することにより得られるブロック三重対角行列を係数行列とする連立方程式に応用し、緩和係数を成分毎に変えるだけでなく反復毎に変化させる"適応的順序付きブロック改良SOR法"を提案し、その理論解析を行い、緩和係数の選び方や反復の順序の取り方を具体的に示した。また"座標変換付き改良SOR法"も提案し、高速Poisson解法という直接法との関連と有効な計算法を調べた。更に、非線形連立方程式への実用的な解法をめざし、数値実験および理論解析が進行中である。その他に、一般優対角行列の判定法の研究も行った。
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