研究課題/領域番号 |
06640336
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研究機関 | 神奈川大学 |
研究代表者 |
成田 清正 神奈川大学, 工学部, 教授 (10211450)
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研究分担者 |
酒井 一博 神奈川大学, 工学部, 専任講師 (30205702)
阿部 吉弘 神奈川大学, 工学部, 専任講師 (10159452)
酒井 政美 神奈川大学, 工学部, 助教授 (60215598)
立花 俊一 神奈川大学, 工学部, 教授 (50017159)
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キーワード | 特異摂動 / 確率微分方程式 / リエナ-ル方程式 / 中心極限定理 / オルンシェタイン=ウーレンベック過程 / 急速変数 / 遅変数 / 大偏差原理 |
研究概要 |
本研究においては、特異摂動の入った確率微分方程式、すなわち、最高階に小さな助変数が掛けられ、かつ、ブラウン運動の外力を伴う非線形2階の確率微分方程式の解構造を決定した。新たに得られた知見等の成果は以下の通りである。 1.尺度の変換をうまく行なうことによって、小さな助変数の果たす役割が、大きな助変数の果たす役割と同値であることを示し、そのことから大きなずれ係数と大きなブラウン運動の影響を精密に解析した。さらに、極限軌道へ近づくときの収束の速さを最良に評価した。 2.特異摂動のもとでは、解が時刻ゼロにおいて急激に飛躍するかのように変化するものであるが、その初期層の希薄度を指数関数的な急変動として特徴づけた。それによって、急速変数を補正し、一様近似解を構成することが出来た。 3.安定な極限軌道への吸引結果をさらに精密化した。具体的には、急速変数だけではなく、遅変数に対しても極限が存在し、オルンシュタイン=ウーレンベック過程的なふるまいを持つことを明らかにし、かつ、急速・遅速の両変数が中心極限定理という確率法則に支配されることをはじめて証明した。 4.平均脱出時間と境界値問題との対応づけを特異摂動のもとで試み、不安定領域の特徴づけを行ない、大偏差原理との関わりを調べた。 以上の他に、本尾 実(東京電機大)、志賀徳造(東工大)、土谷正明(金沢大)から確率解析の手法を学び、さらに、清水昭信(横浜国大)、佐藤定夫(東京電機大)を招いて研究セミナーを行い、院生による計算機実験も軌道にのった。
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