研究概要 |
木曽のシュミット観測によるオリオン座の周縁領域の輝線星サーベイを今年終了させ、最後のサーベイカタログを出版した。これで巨大分子雲にかかわる若い星の分布の外縁がおさえられたと考えられる。大質量星についてはとりあえずBrown et al.(1994)のOB型星のデータを元として独自に補完して利用し、我々の検出した輝線星との比較の結果、大質量星と若い低質量星の分布にはOri OBla,b領域では大局的にかなりの違いが認められることがわかった。フレア星、他の輝線星のデータについては多くの資料を収集することができた。観測データの解析専用のワークステーションおよびその周辺機器等を整備し、位置測定のために必要な101枚のCD-ROMからなるthe commpressed digitized sky survey on CD-ROMsの全天版を入手し、その同定を行った。ROSATなどのX線観測の結果などからX線による情報が我々の当初の目的上極めて重要であることが近年クローズアップされてきており、特に若い星からのX線の性質が星の年齢とも相関があることが示唆されている。そこで我々は今年、X線天文衛星ASCAの硬X線の強い透過力を生かしてのオリオンOB1bアソシエーション周辺領域の分子雲の中心部と外縁部での性質の違いを調べる観測を行った。そのデータは現在解析中である。また多くのハ-ビッグハロ-天体の同定をすすめ、その副産物としてオリオン領域にも巨大バウショックが存在することを確認した。
|