研究概要 |
極冠型プロミネンスの突然消失現象の成因は、プロミネンス自身が能動的に動いて視界から消えてしまうとする考え方は、受動的に動かされた結果消えてしまうとする2つの考え方がある。前者はプロミネンス内部を貫通する磁力線の根本が光球での流れによりねじ曲げられ、ついにはkink現象を起こしプロミネンス自身が不安定となり、コロナ中に上昇運動をはじめめるために視界から消えてしまうとする考え方であるのに対し、後者はコロナ中の爆風現象(CME)に誘因され、それに引きずられて上昇運動をさせられてしまうという考え方である。 光球面上のプロミネンス(暗条ともいう)と,それとほぼ同時刻に観測された「陽光」取得の軟X線像とを比較した。特にプロミネンスの突然消失が起こる数日前から当日にかけて軟X線ループの構造の変化を調べた。その結果、プロミネンスの突然消失に先立つ数日前から軟X線ループの巾がゆっくりと拡がってきた。軟X線ループはコロナ中の磁場の構造が変動していることを示唆するのであろう。そして当日のプロミネンスの消失の数時間前から急にループ巾が拡がり、その直後にdimming(コロナの空洞化)が起こった。dimmingはコロナ物質が急に無くなりコロナホールのように或る領域が暗く見えてくる現象であり、これは特にCMEが起こりコロナ物質が爆風で運び去られた結果によるものと解釈される。 HundhausenはCMEを光球面上で起こったことを見いだした初めて観測例といえる。
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