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1994 年度 実績報告書

量子的反作用の時空構造への影響

研究課題

研究課題/領域番号 06640367
研究機関東北大学

研究代表者

吉村 太彦  東北大学, 理学部, 教授 (70108447)

キーワードブラックホール時空 / ホーキング輻射 / インフレーション宇宙 / 曲った時空の場の量子論 / ブラックホールの蒸発 / 情報の損失問題
研究概要

球対称重力崩壊の近似として事象の地平線は形成されるが曲率を無視した仮定をとるとき,この時空での量子場は特定の条件で軌跡を描く動く鏡を境界とする2次元の場の理論と関係づけられ,ブラックホール形成に伴うホーキング輻射が導かれる.この仕事では,さらに粒子生成による反作用まで考慮した鏡の運動の解析からブラックホール蒸発の最終状態の候補を特定した.ブラックホール蒸発の最終状態は細い角状の領域を含み,この領域に量子情報が蓄えられる描像を支持する.次の論文に詳細を発表した:"Moving Mirror Model of Hawking Evaporation",Progr.Theor.Phys.91839(1994).
インフレーション宇宙では場の量子的ゆらぎが宇宙の地平線をこえて古典化され,現在の密度ゆらぎの起源になったとする説がある.進化するインフレーション宇宙を記述するスケール因子を与えて,場は時間的に変動する調和振動子の集合という立場にたって状態の量子的発展を経路積分の方法で解析し,ド・ジッター時空に移行したのちの量子ゆらぎの振舞いを調べた.調和振動子の波数が地平線をこえるところで振動子のポテンシャルが下方向に逆転することが決定的な要因を与えることが明らかにされた.また地平線内の状態の振舞いは熱的な粒子生成を伴うGibbons-Hawking描像に近く,従来あいまいであったGibbons-Hawking輻射と密度ゆらぎの関係を明確にする可能性が示唆される.結果の一部はプレプリントTU/94/468,"Time Evolution of Pure Quantum State and Emergence of a Nearly Thermal State"に公表されている.

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] M.HOTTA,AND M.SHINO,M.YOSHIMURA: "MOVING MIRROR MODEL OF HAWKING EVAPORATION" PROGRESS OF THEDRETICAL PMYSICS. 91. 839-869 (1994)

  • [文献書誌] M.HOTTA,M.YOSHIMURA: "END POINT OF HAWKING EVAPORATION-CASE OF INTEGRABLE MODEL" MODERN PMYYSICS LETTERSA. 9. 1617-1626 (1994)

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公開日: 1996-04-08   更新日: 2016-04-21  

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