研究課題/領域番号 |
06640381
|
研究種目 |
一般研究(C)
|
研究機関 | 新潟大学 |
研究代表者 |
鈴木 宜之 新潟大学, 理学部, 教授 (70018670)
|
研究分担者 |
矢花 一浩 新潟大学, 理学部, 助教授 (70192789)
池田 清美 新潟大学, 理学部, 教授 (40011548)
|
キーワード | 不安定核 / ハロ-構造 / 多クラスター模型 / 確率論的変分法 |
研究概要 |
1.α、t、n、pなどからなる3〜5クラスター系を精度良く解き上げる方法として、確率論的変分法を提唱し確率する事に成功した。^6Li=α+n+p、^6He=α+n+n、^8He=α+n+n+n+n、^8Li=α+t+n、^8B=α+^3He+p、^9Li=α+t+n+n、^9C=α+^3He+p+pなどの例について実行し、中性子(陽子)ハロ-の出現、運動量分布、電磁気的性質などの理解に粒子相関を正しく取りいれる事が必要で、確率論的変分法はそれを可能にした。^9Cの電気四重極モーメントを予言した。 2.確率論的変分法の直接的応用として、核力以外にクーロン力、万有引力で相互作用する2〜6粒子系の基底状態のエネルギー計算を行っている。他の方法と比較してみて、精度や方法の柔軟さにおいて非常に優れていることを実証出来た。 ^6Liの3.56MeVの励起エネルギーにある0^+をα+n+pの3体クラスター模型で検討し、アイソスピンの役割とp-nハロ-構造の存在の条件との関りを明らかにした。クーロン力のために、^6Liにおいてはそのハロ-部分が^6Heよりも広がること、しかし、ハロ-を壊すほど強くはない事が示された。アイソバリックアナログ状態を利用すると、中性子雫線から安定線のほうへずれた原子核の励起状態でもハロ-構造が出現する可能性があるといえる。 4.確率論的変分法で得られた波動関数を直接用いた詳しい計算ではないが、ハロ-を構成する粒子間の相関の重要性を検討するために、^<11>Liの破砕反応で生じた破砕編の運動量分布と^9Li+dチャネルへのβ崩壊のエネルギースペクトルの研究を行った。芯核とハロ-中性子、ハロ-中性子同士の相関の強弱によって、それぞれ運動量分布の幅やβ崩壊の分岐比に大きな違いが見られることがわかった。
|