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1994 年度 実績報告書

相対論的多体系としての原子核

研究課題

研究課題/領域番号 06640382
研究種目

一般研究(C)

研究機関福井大学

研究代表者

鈴木 敏男  福井大学, 工学部, 教授 (80115865)

キーワード原子核構造 / 相対論的模型 / 電子散乱 / クーロン和則 / 反核子の自由度
研究概要

原子核を核子と中間子から成る系として相対論的に記述する模型は、原子核反応に於ても、原子核構造に於ても大きな成功を修めている。そこでは相対論的な効果が原子核の基本的な性質を説明する上で重要な働きをしていると思われる。しかし、従来原子核は非相対論的近似の十分良い多体系と考えられ、実際原子核をポテンシャルによって束縛された核子からなる系として、非相対論的量子力学によって理解されてきた。本研究の目的は二つの模型の関係を明確にし、原子核の現象論的な模型として何れが正しいかを調べることにある。
今年度は、原子核の結合エネルギーの理解に於ける両者の違いを明らかにすると共に、非相対論的模型では全く考慮されておらず、相対論的模型では必然的に現れる反核子の自由度が、原子核の物理量にどの様な影響を及ぼすのかが調べられた。前者については、原子核が安定に存在するために必要な、エネルギー密度に於ける高いフェルミエネルギーのべき依存性について調べられ、非相対論的模型ではそれをフック項や多体効果が担っているのに対して、相対論的模型では相対論的効果が主に担っていることが判明した。また、反核子の自由度は、非相対論的模型で知られていた電子散乱に対するクーロン和則値を大きく減少させ、最近の実験はその減少を支持していること、更に核物質中の核子の半径や中間子の質量は、自由な場合と異なる可能性があることが示された。今後は、結合エネルギーの理解の違いがどの様な物理量の違いとして現れるのか、また反核子の自由度の強い影響が今までの他の原子核の理解を壊すことがないのか調べる必要がある。

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] H.Kurasawa: "Quasielastic election scattering" Proceedings of the International Symposium on Recent Developement of Nuclear Study using Electron and Photon Beams. (予定). (1995)

  • [文献書誌] 倉沢 治樹: "準弾性電子散乱に対する反核子の効果" 素粒子論研究. (予定). (1995)

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公開日: 1996-04-08   更新日: 2016-04-21  

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