1.二宮は、時空が2次元近くの2+ε次元の場合に、くりこみ可能な矛盾のない量子重力を場の理論の非摂動的な方法を用いて構成した。このモデルをくりこみ群の方法を用いて詳細に研究し、紫外固定点を臨界点として、弱結合相と強結合相が存在すること、我々の宇宙は弱結合相にあることを見出し、各相の性質を分析した。この新しいモデルは共形不変性を持っているため、時空は微少距離においてスケール不変な構造を持つことが判明した。更に、宇宙創世の瞬間のビッグバン特異点がこの量子重力においては消失し、物理的期待と合致することが示された。 このように本研究計画における初年度に、量子重力の研究の新しい第1歩をふみ出せたと考えている。次年度以降には宇宙の初期及び時空の微少距離の構造の解明に向けこのモデルの一層深い研究を行いたい。 2.福間は二宮と共に2次元の量子重力から弦の場の理論を構成する新しい方法を研究した。
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