1.二宮は時空の次元が2近傍の2+εの場合に、くりこみ可能な矛盾のない量子重力の理論の場の理論の非摂動的な方法によって構成した。我々の理論における非摂動的な普遍的性質を見出した。このモデルでは、紫外安定な結合定数の固定点が臨界点として存在し、これを境界に弱結合、臨界点近傍、および強結合の3つの異なる相が存在することが判明した。我々の宇宙に対応する弱結合領域から臨界点近傍を詳しく研究した。 特記すべき成果は、この理論は実際に摂動のすべての次数でくりこみ可能であることをBRS対称性の方法を用いて、QEDやQCDにおけるくりこみの証明と同レベルの厳密さで、帰納法的に証明できたことである。 またこの理論において宇宙が誕生した瞬間のビックバン直後の時空の性質を場の理論的に研究し、ビッグバン特異点近くではスケール不変になっていることを見出した。これにより統計力学系の臨界現象と同様にビッグバン特異点は消失することが示された。 このくりこみ可能性の証明により、2次元より高い次元において量子重力が本格的に研究できる基礎が固まったので、次年度には本研究計画でこの理論のダイナミックスと宇宙誕生直後の時空の性質の解明に向けて、研究を更に深化させたいと考える。 2.福間は、弦理論の非摂動的定式化の研究を行った。
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