研究概要 |
1.πNN系に対してπN力とNN力を入力とする三体方程式を解き、その解がこの系の諸現象を説明するかどうかを調べる。(1)πN力についてはこれまで構築していたS波,P波のうちP_<11>波の非核子極部分の適用エネルギー領域を拡げる改良を行い,Roper共鳴の寄与も正確にとり入れることが出来る様になった。(2)NN力については中間子論に基づくOne-Boson-EXCHANGE POTENTIALを始及び終状態運動量変数について分離型表示をすることに成功し,中間子論に基づくPOTENTIALを三体方程式の入力に用いることが出来る様になった。(3)以上の新しい改良をとり入れた入力のもとで,pp-pp,np-np,pp-πd,πd-πd,pp-π^+pn振巾をp入射エネルギー1GeN以下で得ることが出来た。(4)その結果J^P=2^+及び3^-の振巾で共鳴を示唆する構造を確認した。(5)πNS波のπthreshold附近での寄与は^3P_1状態のpp-pp振巾に表われこの部分の詳細な検討が必要である。(6)πNP_<11>波のRoper共鳴の寄与はnp-np振巾の^3D_1波に表われ,エネルギー依存の構造をもたらす。(7)np-np振巾の^1P_1波にエネルギー依存の巾のせまい構造が発生しており,現在その機構を究明中である。 2.πNN系において以前から代表者が理論的に予言している束縛状態をpd→πdp反応で検証するためこの反応のkinematicsを計算するコードを部分的に製作した。更に改良が必要である。
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