8月に顕微鏡ステージ(6VA)を購入し、9月に入荷したので早速取り付けた。ステージは一応期待通りの性能(5センチの移動について2ミクロン程度)であることを確認した。この顕微鏡解析システムを用いてEMU05実験で露出した硫黄原子核衝突のデータを取得した。 また昨年南極気球実験で得られたJACEE12の1/4ブロックを担当することになったので、それを送ってもらい解析(主にトレーシング)を始めた。しかし、ソフトウェアが不備のためデータ取得には至らなかった。これはまだこのシステム上で動く宇宙線解析用ソフトウェアが未完成のためである。現在そのソフトウェアを開発・改良中である。 さらに、冬に南極気球実験(JACEE13)を行うため、乾板乳剤やX線フィルム、アクリル板を購入し米国に輸送した。気球実験は12月末に300時間の露出に成功し無事回収された。現在米国でフィルムの現像が行われている。どのようなものが写っているか楽しみだ。 一方、欧州原子核研究所CERNで鉛ビーム加速器実験を行うため、11月末にスイス国に伊代野氏と向かった。原子核乾板を現地で作成し、12月に鉛・鉛衝突実験を行い、すぐに乾板を現像した。実験は役40ブロックの露出に一応成功した。現在乾板を共同研究者の間に分配して、解析を開始したろころである。高知大学でもこの1月から大多重度事例を探索し、数十例の解析対象事例をみつけている。これら運動輛の解析を行っていく。 これらの実験の報告は、春の物理学会および夏のローマの宇宙線国際会議などで行う予定である。また論文にもまとめて発表する。
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